マークアップエンジニアという選択

この選択に対するぼくの答えは、Noです。
こちらにその方々の将来への不安の声声声・・(違うのか?最後まで読んでないよ)。まとめとしては、

(X)HTML + CSS しか出来ない人はそれなりに危機感を感じたほうがいいと思った今日の昼ご飯でした。

ということでした。初めてこの言葉を目にしたときに、そんな便利な言葉があったんか、てな感じで、センセーショナルな感じを持ったよ。ぼくのようにHTMLとCSSと画像加工とデザインチョピッとな人間は、システム屋さんにいると実に居辛い思いをする。幸か不幸か未だにお役ご免にならず、何とか喰らいついていられるのが我ながら不思議だけど、プログラマという人種は本当にすごいなぁと思う。毎日、仕様の変更とか追加ページのためにHTML&CSSで「ガワ」を提供し、プログラマがそれらに動的生成のための命を吹き込む仕事ぶりを眺めていると、ぼくらは外装屋なんだという気分だった。「見た目だけやってりゃいんだからいいよな」と露骨に見下す人もいたし、理不尽な仕様変更で連日残業に必死で喰らいついていても「楽しそうだね」的な見られ方は変わらなかった。彼らはもっと残業してて、もっと「価値のある仕事」をしているような顔をしていた。
ぼくの迷い込んだこの業界では、建物でいうと鉄骨に当たる部分を組める人材がとにかく優遇される。雇うのに一日当たりの単価も高いわけでそれは当然なのかもしれないが。よってぼくのスキルは「カウント外」なのだと早くも気づいてからは、とにかくスピード勝負で飛んできた仕変は出来る限り早く、無駄なくコーディングするよう心がけた、
エディタによる文字列置換とか、複数行置換でサイト全体のコードをごっそり置換するソフトとか、とにかく仕事を効率化して1秒でも短縮してくれそうな様々なツールや裏技を探すためネット上を渉猟し、面白そうと思ったら落として使う。それが趣味になった。Firebugを見つけてからは、CSSコーディングへの理解が更に深まった。
マシンの性能も限られているので、ゴミはさっさと掃除して、デスクトップにファイルを置かないようにして、壁紙も取り払い、XPのグラフィカルな表示は馬鹿重いのでキャンセルして2000に戻した。
ケツに火がついたように急かされる雰囲気の中、毎日毎日HTMLを直し、CSSを書き、フォトショップイラレで画像を作りまくった。それらの経験のおかげで今、HTMLとCSSはわかります、一応。くらいは言える様になったと思う。
そんな中、プログラマな人々がバグに追われて必死な顔しているのを見ていると、自分は「中途半端」なんだと常に感じていた。そして彼らの会話の中からわからない単語出てくるとググって調べる、これも癖になった。おかげでウェブサイトがどういう風に作られているかということも広く浅く、解るようになってきた。
Rubyだとか、Perlだとか、PHPだとか、暇を見てちょこっと触ってみたりしたが実際の仕事で現在触っているのは相も変らずHTML・CSS・そしてフォトショップ。ドキュメント作成にエクセルとテキストエディタ。これらで作成した資料を持ってクライアントに面会し、打ち合わせで必死に喋り、大量の情報&原稿を整理し、誤字脱字を校正している。
上司に頼まれれば議事録を書き、クライアントの要件を整理してこっそり耳打ちする。「本意はきっとここですよ」システムが絡めばプログラマな人たちに助けてもらわなければならないし、静的ページの読み物サイトだからなんとかヒヤリングも出来ているが、システムが絡まないカタログ的サイトは大体、単価が安いのでやっぱり職場でも「楽しそうだね」な目で見られているような気がする。被害妄想かもしれないけど。

そんなわけで、ぼくは胸を張って「マークアップエンジニアとして生きていきます」とはとても言えない。デザイナーってレベルでもない。相変わらず中途半端である。HTMLは「X」な人になるまで掘り下げていくつもりだけど、ぼちぼち真剣にPHPを身につけようと思う。仕事が完全になくなっちゃう前に。でも、今のところは何とか食っていけてる。今の職場の人たちと仕事が好きなので、なんとかここで食い下がる為に何でもしてやろうと思う。