ぼくは・・から始めない。

特になし。思いつかん・・。こんな時を迎えるために、毎日書き続けていたのだ。今日は人の話をしよう。数年前、ナミビアという国を旅行していた時、首都のウィントフックからの砂漠ツアーで一緒だったガイドのおっさんの話だ。

ツアーガイド・ピーター(仮名)

彼の名前は忘れてしまった。長身の白人、仮にピーターとしよう。ツアーガイドになる前のピーターは、兵士だった。黒人の国として独立する前は、ナミビア南アフリカだったそうだ。(詳しい史実は違うかも知れない。)んで、彼は南ア軍として独立勢力と戦争をしてた事になるのだと思う。

当時、兵士になるのは皆のあこがれだった。何しろ給料がよかったからね。ずーっと、ずーっと、戦っていた。100年以上(史実はわからない)小競り合いを続けていたんだからな。ん、所属は、落下傘部隊だったよ。何十回と出撃したな。友達かい、たくさん死んだよ。目の前でね、戦争だから仕方が無いね。戦争が終わって、俺はオーバーランド・ツアーのドライバーになったよ。ケニャから南アフリカまで、数ヶ月をかけてトラックにツーリストを乗せて名所をガイドするんだ。とにかく俺は、デスクワークや何かじっとしてるのが耐えられないんだよ。オーバーランドを暫くやって、今はフリーのガイドとしてあんたの宿と契約してるわけさ・・・。いいかい、誰も俺を怒らすことは出来ないんだ。戦場での経験でね、身についてしまったんだよ。戦場で怒ったっていいことなんか無い。冷静でないと、それだけ死の危険が高くなるわけだからね。

星空の天井

ソシスフレイ、砂漠のキャンプサイトで焚き火の焼肉とビールの食事を済ませ、寝袋に包まると満点の星空を見上げてピーターは言った。「世界でもっとも楽しいTVだよ」ちとすべってたな。「おやすみ・・。」

やっぱり、荒野で死にたい

ピ:オーバーランドでケニャから空荷で帰ってくるときは、よくサバンナでキャンプしたよ。
ぼく:え、だって野生動物とかいっぱいいるじゃん、怖くないの。
ピ:・・・うん。サバンナでライオンに食われて死ぬって事は、摂理に適ってると思う。自然なことじゃないか。俺はいつそうなっても、仕方がないって思ってるよ。ベッドの上や病院で死にたいとはあまり思わないね。町の中は窮屈でいやだよ。

ぼく:そう・・。



彼は、ピーターは元気だろうか。彼が若し結婚して子供が出来てたとしたら、考えはかわっているだろうな。「いい娘が現れるのをまってるんだよ」とかいっていたけど。