大日本人を見たら高熱が

遅ればせながらついに見た。

見終わった第一印象・・・「これ映画じゃない」松本人志は何をやるにも一筋縄で納得できるような才能じゃない。「ごっつ」の頃はリアルタイムで毎週楽しみに見ていた。「笑い」を超えた何かスゲーもので、ぼくにとってはバイブルのような番組だった。ファッションだとか、ルックスだとかそういうことでなく、番組が発散していた狂気のようなものに惹きつけられていて、自分でも気がつかないような言動に影響を及ぼしているといってもいいと思う。最も全国放送だったしネットも無かったあの頃、学生だった人たちなら翌日の学校で「昨日ごっつのアレ見た?」という会話は必ず入っていただろうとさえ思う。その後、ひとりごっつとか、ヴィジュアルバムとか、すべらない話、おっさん劇場とか、それほど熱心ではないが怠慢にチェックしてきて、彼のギャグやコントの世界観の貧困とか、不快感とか、虚無感とか、狂気とか、そういった語彙ではとても語り切れないなにかに常に魅せられて来たのである。そして、今回期待しつつ「初監督作品」を拝見・・・。

映画であることにすらカミツいた

ネタバレはやる度胸が無いのだが(公開されてこんなに時間経つのに)、物凄く壮大なコントである。もしくは複数のコントをつなぎ合わせた映像作品である。これも良し悪しを言いたいのではなくて、そういう物であるとしか言えない。とはいえ、CGや細部に至る昭和の生活臭のディテール描写は物凄く(古い家屋とか・侘しい男寡の住居とか素材が好きという主観含め)凝りに凝っていて、凡百のテレビ局タイアップで定期的に作る無意味なチンカススイーツ(笑)映画(あれほんといつ作るのやめんだろ・・・どちらかが潰れるまでだからずっとか)の戦慄のやっつけ仕事を見るよりは100倍いや比較にならない位の幸福だった、ともいえる。という意味では実写なのにアニメのような、その実怪獣映画?だけど。因みに笑わせようというようなシーンは一切無い、見ているコチラが笑わされるのだ。

中身が濃すぎたのか、発熱。

翌日職場にて急に天井が降ってくる幻視に襲われてすわ、「ついに俺も癲狂院へ」と覚悟しそうになったがそうじゃあない、めちゃくちゃ寒い。寒くないすかと同僚に聞くも気持ち悪そうにやんわり否定されいよいよ自分のカラダの不調に気づく。まずい、絶対熱があがってる熱があっちゃカワイク無いぞで上司の承諾を得て早退。通いなれた帰宅への道のりはバラナシ〜ポカラ間の地獄バスかカンパラ(ウガンダ)〜ナイロビ(ダウンタウンでドキドキの乗換え)〜ダルエスサラーム(ダウンタウン着)の南京虫発狂バスぐらいの長さに感じられた。帰宅し熱を測ってみれば39℃くらいある。あらま、メガネくもっちゃった!かけてねーけど。というわけで翌日まで影響を及ぼしたのでした。